若くして料理の世界に飛び込み、独学で現在の食工房「すいぐん」を築き上げたマスター・牧原斉さん。
「いろいろな方に大変だったねと言われるけれど、好きな料理の世界だから俺は大変なんて思わない。とにかく学ぶ！ただそれだけだった」と当時を振り返る。自分を信じ、人一倍努力を重ねて成りあがったマスターの言葉に重みを感じた。
この積み重ねた経験は、やがてメニュー開発として如実に表れる。
駆け出しの頃、何かヒントを得て自分の店に活かそうと、飲食店をひたすら食べ歩いたそうだ。そして舌が覚えているうちに再現し、さらに手を加えて独自の味を作る日々。その経験が糧となり、今では約100種類を超えるメニューを提供するまでに。その数は玄海町で群を抜いている。
そんなマスターが作る料理は、焼き鳥、刺身、焼魚、サラダ、揚げ物、ピザ、パスタ、麺類、ご飯類・・・など、とにかくバラエティに富んでいる。佐賀産和牛のもつを使用した「もつ鍋」や山芋で作った「すいぐん焼き」は定評だが、いつも話題に上るのは、特注で作った約1mもある長〜いオリジナルの「生ソーセージ」。焼いているそばから肉汁が溢れ出す姿は、見ていて食欲をそそられる。どの料理も美味しいが、ここは食事を楽しませてくれる、まさに食のエンターテインメント！
「すいぐん」は飲食店＆加工者としての顔を併せ持ち、店で人気の「牛タンステーキ」など数々の商品をふるさと納税の返礼品や自社通販で販売を行っている。厳選した牛タンを吟味しながら1枚1枚厚切りし、天然の天日塩などで独自に味付け。その後、“冷温熟成”させて旨味を凝縮させる。牛タンならではのプリッとした食感とコリっとした噛みごたえがクセになると、各地の注文者から嬉しい声が続々届く。
さらに、真鯛をふんだんに使用した瓶詰め商品「鯛のわん」を生み出した。
玄海町仮屋湾で育てられた新鮮な真鯛の美味しさを、できる限りシンプルに味わってほしい、そんな想いからだった。オリジナルの出し汁にじっくり真鯛を漬け込み明太子と和えた「鯛めんたい」をはじめ、お茶やお湯を注ぐだけで真鯛の旨みを味わえる「鯛のお茶漬け」、さらには「鯛味噌バター」「鯛チャンジャ」など全4シリーズにおよぶ。
真鯛の味もさることながら、美味しさの秘密は“プロトン急速冷凍”にある。
通常のフリーザーと違い、はるかに小さい氷の結晶で食品の細胞破壊を防ぎ、一気に凍結する特殊な技術。これで鮮度と旨みが格段に保たれるという。加工品のレベルを超えた、まるで獲れたての真鯛をいただいているかのような旨みと歯ごたえ。buyer’s room AWARD（バイヤーズルームアワード）で“全国商工会連合会賞”を受賞したのも頷ける逸品だ。
「真心を込めて作っているので、商品にその想いがきっと伝わっていると思うよ。食を通じて、これからも皆さんの生活に豊かな彩りを添えることができるよう邁進していきたい。これが俺の人生たい」とマスター。
玄海町の地域に根ざす飲食店として、また全国発送を展開する加工品製造会社として、今後の「すいぐん」から目が離せない。
食工房すいぐん
佐賀県東松浦郡玄海町今村4550
17：30〜23：00
日曜定休
TEL 0955-52-6522