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Genkai town

すべての始まりは赤土との出逢いから。父の作風を受け継ぎ、 唯一無二の躍動感と力強さを器に込めて。

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「豪快さの中にも静けさと繊細さを併せ持つ父の持ち味と、自分の作風の融合を探求し、日常に自然体で寄り添うような器が出来ればと作陶に励んでいます」と語るのは、平成24年に亡くなった父、自然坊(本名・中川憲一)さんの遺した窯を受け継ぐ2代目・恭平さんだ。


20歳の頃、一度は父親の元で陶芸の道を志すも、反りが合わず窯を離れた。しばらくアルバイトをしながら生活する日々。その頃、父・憲一さんの病状悪化により、「窯を継いでほしい」と強く説得されたことで作陶を再開することを決意。修行を始めて1年半後に憲一さんが亡くなるも、ここでは修行期間3年半という決まりがあったため、その後2年間は弟子だった人たちの協力を得て完遂し、2012年に独り立ちを果たす。

「自然坊窯」では土作りから窯焚きに至るまで全て手作業で行われている。
受け継いだ実家の敷地内で採れる鉄分の多い赤土を、あえて不均一な荒い状態で使用することにより、みなぎる力強さと強烈な勢いを表現。


“朝鮮唐津”に至っては激しい躍動感と重厚感があり、色彩に富んでいるのが特徴。自家製粘土が、釉薬との相性により発色と質感をより豊かにしているのだ。
白い釉をかなり濃く練った状態のものを使い、刷毛目が立体的に感じられる“刷毛目唐津”も「自然坊窯」ならでは。
棕櫚の繊維が豪快且つ繊細な表情を作り出す。通常は白い釉が濃すぎると、乾く最中にポロポロと剥がれてしまうそうだが、自家で採れる赤土と釉薬のバランスが良いからだろうか、ここでは相性が良い。
工房には器がずらりと並ぶ。この器たちは、これから高温の薪窯で焼かれることで、一体どのような表情に変化を遂げるのだろうか。まだ見ぬ完成形に胸が高鳴る。

季節、天候、湿度、炎の走り方など、様々な自然の条件が揃って出来上がるため、1つとして同じものが焼き上がることはない。すべてを世に出せる訳でもなく、自然相手ゆえの大変さ・難しさを痛感しているそうだ。
しかしその反面、時には予想もしなかった表情で焼き上がることがあり、それも窯焚きの楽しみでもある。


彼の生み出す渾身の器は、時折見せる穏やかな笑顔からは想像もつかないほどの力強さを感じる。
陶器は作り手8割、使い手2割と言われる。使い込んでいくうちに角が取れ、柔らかな表情へと変化。新品の良さもあるけれど、経年劣化を楽しむのも器の醍醐味で、普段使いしてこそ生きる「自然坊窯」の器。


玄海町で生まれ育ち、窯元2代目としてこの地に根をおろした恭平さん。
彼は着実に父の作風を受け継ぎ、さらに自分らしさというアイデンティティーを持って日々挑戦し続けている。
そんな「中川自然坊窯」の独特な風合い・力強さを、是非あなたの手で感じてみてはいかがでしょう。

中川自然坊窯

佐賀県東松浦郡玄海町新田1469-27

TEL 0955-52-2566

9:00〜18:00(木曜定休)

https://jinenbo.info

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